がん(癌)部位別情報

◆鼻腔がん,副鼻腔がん

いわゆる鼻(鼻腔)の中は鼻中隔で左右に分かれ、鼻の周りは副鼻腔という4つの空洞(上顎洞、飾骨洞、前頭洞、蝶形骨洞)があり、それぞれの空洞でがんが生じます。

鼻腔に生じる癌を鼻腔がん、副鼻腔に発生するがんを副鼻腔がんとよび、がんができる空洞ごとに上顎洞がん、飾骨洞がん、前頭洞がん、蝶形骨洞がんといいます。

鼻腔がんのうち最も多く発生するのが上顎洞がんになります。

副鼻腔がんの最大の原因は慢性副鼻腔炎(蓄膿症)となりますが、蓄膿症の減少とともに副鼻腔がんの発生も減ってきています。

【鼻腔がん,副鼻腔がんの症状】

鼻腔がんや副鼻腔がんの初期の状態にはほとんど自覚症状がありませんが、鼻づまり、膿、血の混じった鼻汁などが現れることがあります。

鼻腔がんや副鼻腔がんが進行すると周囲の組織を圧迫することでさまざまな症状が出るようになります。

鼻腔癌により鼻腔が圧迫され鼻づまり、鼻出血、悪臭のある鼻汁、頭痛、涙がでる等の症状が現れたり、眼球周囲の骨を破壊すると眼が突出したり、物が二重に見えたりすることもあります。歯や上あご、口腔内に浸潤すると歯ぐきが腫れたり、歯痛、上あごの腫れなどが現れることもあります。顔が腫れたり痛くなることもあります。頬が腫れたり痛くなることもあります。これらの症状が現れている場合はがんがある程度進行していることになります。

【鼻腔がん,副鼻腔がんの検査】

鼻腔がんと副鼻腔がんの検査は触診により顔の腫れや、押したときの痛み、骨の欠損、歯ぐきや上あごの腫れなどを観察します。また視診も行われます。

◆細胞診,生検(鼻腔癌・副鼻腔癌の検査)

鼻汁をとって細胞を調べる細胞の検査が行われます。また、がんが疑われる部分の細胞を採取して顕微鏡で確認する方法で確実に診断を行うことができます。

◆CT検査(鼻腔癌・副鼻腔癌の検査)

CT検査(CTスキャン)はいろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影しコンピュータを使って 非常に鮮明な画像を得ることができます。周囲の臓器やリンパ節転移の有無を調べることができ癌の進行具合を調べるためには重要な検査になります。

◆MRI検査(鼻腔癌・副鼻腔癌の検査)

MRI検査は磁場を使っていろいろな角度から体内の詳細な画像を連続的に撮影する検査です。 周囲の臓器やリンパ節転移の有無を調べることができ癌の進行具合を調べるためには重要な検査になります。

 

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【鼻腔がん,副鼻腔がんの治療】

<治療方法を決めるにあたり>

鼻腔がんや副鼻腔がんの治療は、医師の協力の下で治療方針、治療期間、メリット・デメリットなどの説明を十分にうけ、患者さんが自分の価値観などを考慮し 患者さんが最終的な治療方法を最終的に決定する時代になりつつあります。

また医療の進歩とともに鼻腔がんや副鼻腔がんの治療方法も多様化してきており、 医師によって治療方法が異なることは珍しくなく、主治医以外の医師の意見を聞くセカンド・オピニオンを求めることが必要な時代になってきました。

詳しくは「インフォームド・コンセント」「セカンド・オピニオン」についてをご覧下さい。


鼻腔がん,副鼻腔がんの治療方法としては外科療法(手術)、放射線療法、化学療法(抗がん剤)があります。

(副)鼻腔がん,副鼻腔がん(手術)

以前はがんを含めて大きく切除する拡大手術が主な治療法でしたが、最近ではできるだけ切除部分を小さくし、放射線療法や化学療法と組み合わせて治療が行われるようになってきました。

また、再建術も発達してきており、顔面の成形を行うことで患者さんの術後の生活の質も大分よくなってきています。

(副)鼻腔がんの放射線療法

放射線療法は高エネルギーの放射線を使ってがん細胞を殺す治療方法です。

正常な細胞に放射線が照射されると正常な細胞がダメージを受け副作用が出ることがあります。 副作用には治療中又は治療直後にでるものと、半年〜数年後にでてくるものとがあります。

放射線の照射量には決まりがあり、無理をして大量の放射線照射を行うと強い副作用が出る可能性が高いため注意が必要になります。特に鼻腔や副鼻腔の周りには眼球などの重要な臓器があるため放射線療法が適応とならないこともあります。

この問題点をクリアできる可能性のある治療に陽子線療法があります。陽子線療法を受ける患者の4割ほどが鼻腔癌や副鼻腔癌を含めた頭頚部がんの患者になります。

陽子線療法はごく限られた施設でのみ行われています。放射線治療で重要なのは、病巣に放射線を集中させ、かつ正常な組織への影響を出来る限り減らし、副作用を抑えることですが、通常の放射線療法では身体の表面から体内にいくに従って放射線の量が弱まっていくので、病巣の前後の組織も傷つけてしまいます。一方、陽子線は病巣で線量をピークにすることができ、副作用が少ないという特徴があり眼球近くのがんなどにも治療が行えるメリットがあります。

ただし、陽子線療法の装置は非常に高額であるため治療費は相当高額になってしまいます。施設整備にはけた違いの費用がかかるため国内ではまだわずかな施設にしか陽子線療法の装置がなく、治療費の自己負担額は288万3000円と非常に高額となります。

研究対象として陽子線療法を行っている施設では無料で治療が行われる場合もありますが、将来的には一定額の費用負担が必要となると思われます。

<鼻腔がん・副鼻腔がんの化学療法(抗がん剤)>

鼻腔がん・副鼻腔がんの治療では抗がん剤単独での治療はあまり行われません。手術や放射線と抗がん剤をあわせた治療が主に行われています。

 

放射線療法や抗がん剤を用いた化学療法では白血球減少による免疫力の低下が起こりやすいため体を清潔に保つことが大切ですし、規則正しい生活を送る必要があります。 免疫力を賦活させることが大切です。

また、骨髄損傷による白血球減少、血小板減少、貧血などが起こりやすいため造血機能を強化することも大切になります。

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